筋膜理論

<痛み性(イオン)物質筋膜沈着論>

「痛み性(イオン)物質筋膜沈着論」を説明するのにもっとも重要である『筋膜』について先に説明させて頂きたいと思います。

『筋膜』は、皮膚でもなく、筋肉でもなく、勿論骨でもありません。

『筋膜』は、蛋白質(コラーゲン組織)でできています。その為に変形・変質をしやすく、外部からの影響を受けやすい組織になります。

真皮は皮膚のすぐ下にある組織です。

体表から順に皮膚→真皮→脂肪→筋肉→骨

皮膚が0.2mm真皮は2mmほどの組織ですが、真皮(神秘)

な組織ともいえるほど現代医学をもってしても解明できない組織といえます。

真皮は神経に変わる沢山の情報を網羅しており

身体全体(内部から外部、頭の頂辺から手足の末端)

へ情報を伝達しています。

左図の赤い部分が筋膜です。

何層にも分かれています。

脂肪を包む筋膜、表に近い筋肉を

包む筋膜、深い筋肉を包む筋膜、

骨を包む筋膜が身体全体をネット

ワークして伝達する組織となって、

奥行はバームクーヘンのように

何層にも分かれて、全ての筋膜が

重なったり離れたりしながら、

コミニュケーションを取り、身体全体をネットのように覆っています。

筋膜は全ての情報を網羅していると考えられ、神経システムとは異なった

もう一つの神経システムとお考え下さい。

 

筋膜には大きな役割が3つあります。

 

一つ目は、脳から直接伝わる神経システムだけですと、もし神経に支障をきたしてし

まったら、身体は全く機能しなくなってしまい、飛行機でいった墜落です。

そこで、副エンジンやその他の方法で、せめて墜落せず飛行場までたどり着けるよう

なシステムが必要になってくるのです。

これが、一番目の大きな筋膜の役割です。

 

二つ目の役割として、外界からのエネルギー(熱・気圧など外部圧力)が加わった

場合、身体はその環境に適応しなければなりません。

内面からも同様、身体の変調に対応し適応しなければなりません。

そのために一つの神経回路だけでは人間としての機能を果たさなくなってしまいます。

身体のどこかに異常があった場合、脳脊髄神経は異常に対して、治癒させるための

全力投球がはじまります。

その時、他のシステムがおろそかになってしまうのです。

そこで、身体全体を監視し、情報や簡単な調整は脳に伝達しながらも、身体全体を

バームクーヘンのように覆っている筋膜がもう一つの神経システムとして活躍できるようになっていると考えられます。

ですから、この筋膜のシステムが不安定だと自然治癒力が生まれてこないのです。

 

三つ目は筋肉の動きです。もし筋膜が不安定だと各筋肉の連動性が失われ、まるで

ロボットの様な動きになってしまい、スポーツが出来ないどころか歩くことも難しくなってしまいます。

この筋肉が連鎖しながら動けるのも筋膜が関与しているのです。

 

このように、生きるための適応性、人間としての機能は筋膜なしでは考えられないのです。

簡単に説明しているつもりだったのが、かえって難しくなってしまいましたね。

   一言であらわすと”もう一つの神経システム”とお考え下さい。

「痛み性(イオン)物質筋膜沈着論」の説明に戻ります。

 

皆さんの身近で例えると、手などを壁に思わずぶつけた時、ぶつけた箇所が熱くな

ったりしませんか?この熱でも筋膜には影響をきたすのです。

 

そして、肩こりも、日頃から腕の重さに引かれ腕から肩、首の『筋膜』が伸ばされている為に軽い炎症がある(コリや痛み)所に刺激が加わり、更に炎症を広げてしまいます。

 

これが腕を使うとコリが痛みとして現れ、その他の部位(腰・膝)に炎症を来たすのです。そこで、肩を叩いたり揉んだり繰り返す事によって更に慢性的な炎症が続きます。(毛細血管がやぶれ、内出血を起こしその為、炎症が起こる)

炎症を起こすということは、その箇所に熱が発生していることを意味します。

 

このような事を何年、何十年間も繰り返していると、本来、乳白色でサラサラしている正常な筋膜も、粘性を持った状態に変性してくる。更にそのまま年月が過ぎていくと、悪性腫瘍まで行かなくても、取り返しのつかない状態になり、様々な病気の原因や引き金になってしまいます。

 

このような身近な日常生活の繰り返しで影響がでる、繊細な筋膜の性質に着目した

のが「痛み性(イオン)物質筋膜沈着論」になります。

 

この療法の重要点は、癒体術研究会の考案したセンター療法・末梢療法・二点相圧療法を総括して「極生功整体療法」とした施術方法で、あらゆる角度から皆さんの状態を調べて問題がある『筋膜』に着目し、施術を行い水分をたくさん含んだ良い状態にできるのです。

 

この施術により、『筋膜』間に潤いを生み、筋肉の軽快な動きや体全体へのリンパ液

・血液や栄養の運搬、停滞物質の排出などがスムーズに行われるようになります。

 

いわば、『筋膜』はわかりやすく例えると体の洗濯機で、体の中の停滞物質や古くな

って粘性化した発痛物質、炎症物質を流して綺麗にしてくれるのです。

良い筋膜は皆さんの健康につながるのです。

  筋膜の状態変化

 

 ①正常な筋膜の状態は、乳白色でサラサラしている。

         ↓

 ②痛み性物質が侵入してくると、変色してバター状になってくる!

         ↓

 ③更に痛み性物質が侵入すると、ヨーグルト状にドロドロになってくる!!

         ↓

 ④時間が経過すると、カッテージチーズ状に凝固しはじめる!!!

 (腫瘍、動脈硬化の始まり)に・・・

         ↓

 ⑤炎症、内出血の繰り返しにより、燃えカス(活性酸素)が腐った果実のように

  黒褐色の塊になる。

         ↓

 ⑤のように放っておくと問題がある箇所は、炎症の塊となり、薬などでは改善

  できるような状態ではなくなってしまいます。

多くの医療関係者や施術者の方々は『筋膜』とは、厚い・硬いと思い込んでいるようで、押したり、引っ張ったり、叩いたりする施術などによって状態を良好にしようとしていますが、これは逆に患者様の症状を悪化させたり、もっと複雑な病状に発展させてしまう可能性もあります。

 

どこが・どんなふうに悪く・その原因はなにか・そして、どのように施術をするかを皆様の立場に立って、触診し最適な施術をするのが、私達の施術スタンスです。