急性以外は冷・温湿布どちらでも良い
打撲や捻挫などの外傷の急性期には冷湿布を使用し、慢性の腰痛、肩こり、関節痛などには気持ち良ければ、冷湿布と温湿布どちらでも良い
冷湿布は冷やすためのもの、温湿布は温めるためのものと考えている人がいますが、冷湿布は冷感湿布つまり冷たく感じる湿布、温湿布は温感湿布つまり温かく感じる湿布というべきものです。
痛みのある患部をリハビリで温めて治療しているのに、冷湿布で冷やすのは変だと思う人がいますが、これは冷やしているのではないのです。
冷湿布には冷たさを感じるメントール、温湿布には温かさを感じるトウガラシ成分のカプサイシンが配合されており、皮膚の感覚に違いを出します。
最近の湿布はインドメタシンのほか、フェルビナク、ケトプロフェンなど強力な消炎鎮痛剤が含まれています。
痛みの元の物質が作られるのを妨げることで、痛みや炎症を抑えます。
長期間使用する場合、温湿布と冷湿布では少し違いが出てきます。
長期間使用する場合、温シップと冷シップは症状により使い分ける必要が出てきます。
一般的に「温湿布」は貼ると温かく感じることにより痛みの感覚が和らぎ、「冷湿布」は冷たく感じることにより痛みの感覚が和らぎます。
また、どちらも一時的には湿布を貼ることにより皮膚表面の温度は少し下がります。
しかし、その後の作用に少し違いがあります。
「温湿布」はトウガラシの成分であるカプサイシンが含まれております。
カプサイシンは血行を促進し、患部の温度を上げる作用があります。
そのため、血行が悪い場合や患部が冷えているような状態であったり、慢性期であるときは温湿布が適しております。
「冷湿布」はメントールなどの冷感成分が入っており、カプサイシンのような患部の温度を上げる作用がありません。
また、その他に炎症を抑える成分が配合されているので、怪我をした直後など、炎症がある時に貼るのは冷湿布が適しております。
例えば打撲や捻挫などの怪我をした場合、直後は炎症があるため熱をとる「冷湿布」を貼り、炎症が治まった後は「温湿布」を貼ります。
「冷湿布」を貼る代わりに氷などで冷やす方法(アイシング)もありますが、アイシングに詳しくない方が行うと患部を冷やしすぎてしまい、血行を阻害させ、逆に治りにくくなってしまったり、症状を悪化させたり、場合によっては凍傷をおこすこともあります。
当院お勧めの融けかかりの氷冷却法は安全です。
アイシングの知識が無い方は氷を使ったアイシングは避けた方が無難でしょう。
また、ギックリ腰になった直後は患部が炎症をおこしているので、患部を温める温湿布は適しておりません。
「温湿布しかなかったのでとりあえず貼ろう。」と貼ってしまうと、良い結果とならない場合があります。
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